日々の感謝記録で、見過ごしがちな自分自身の良い点に静かに気づく方法
日々の生活の中で、私たちは様々な出来事を経験します。良いこともあれば、そうでないこともあります。私たちは他人の行動や周囲の状況に目を向けがちですが、自分自身の内面や、その日の自分の行動については、意外と見過ごしていることが多いかもしれません。
「今日は何も特別なことはなかったな」と感じる日でも、実は小さな頑張りがあったり、自分でも気づかない良い一面が表れていたりと、様々な側面があります。しかし、それを意識的に捉えようとしなければ、そのまま通り過ぎてしまいます。
ここで役立つのが、日々の感謝を記録するという習慣です。感謝の対象を「人やモノ」だけでなく、少し視点を広げて「自分自身」にも向けてみることで、見過ごしがちな自分自身の良い側面に静かに気づくことができるのです。
なぜ感謝記録が自分自身への気づきにつながるのか
感謝の記録は、その日あった出来事を振り返り、良い点やありがたい点に焦点を当てる行為です。この「振り返る」という行為の中に、自分自身への気づきのヒントが隠されています。
例えば、「〇〇さんが手伝ってくれて助かった」と記録したとします。このとき、なぜ助かったのか、自分がどういう状況だったのかを少し思い返してみると、もしかしたら「今日は少し疲れていたけれど、最後までやり遂げようと頑張っていた」とか、「自分一人では解決が難しかった」といった、自分自身の状態や行動が見えてくることがあります。
また、「今日は天気が良くて気持ちが良かった」といった自然への感謝も、その時「自分は心が安らいだと感じた」という自分の感情に気づくことにつながります。
このように、感謝を記録する過程で、私たちは自然と「自分はその出来事に対してどう感じ、どう行動したのか」という内面に目を向ける機会を得るのです。
自分自身の良い点に気づくための記録のヒント
自分自身の良い点や頑張りに気づくための感謝記録は、特別な準備は不要です。普段の感謝記録に、少し意識を加えてみるだけで十分です。
例えば、以下のような視点を加えてみてはいかがでしょうか。
- その日、自分が「心地よい」と感じた瞬間はありましたか? それはどんな時で、自分はその時何をしましたか?(例:静かな場所で温かい飲み物を飲んだ、好きな音楽を聴いた、など)
- 何か小さなことでも、自分が「できた」「やり遂げた」と感じたことはありますか? それはどんなことですか?(例:朝いつもより早く起きられた、気になっていた一つのタスクを終えた、など)
- 誰かに「ありがとう」と言われたり、小さな良い反応をもらったりしましたか? それはどんなことに対してでしたか?(例:同僚に「助かったよ」と言われた、家族が喜んでくれた、など)
- 自分が「これは良いな」「心が満たされるな」と感じた、自分自身の行動や考え方はありましたか?(例:困っている人に自然と手を貸せた、落ち着いて冷静に対応できた、など)
これらはほんの一例です。大切なのは、大小に関わらず、自分自身の行動や感情、そしてそれによって生まれた小さな結果に静かに目を向けてみることです。
記録を続けることによる静かな変化
このような視点を持って感謝記録を続けることで、日々の忙しさの中で見過ごしがちな自分自身の様々な側面に気づくことができるようになります。
「私はこういうことに喜びを感じるのだな」「意外と、自分はこういう状況でも落ち着いていられるのだな」「こんな小さなことでも、誰かの役に立てるのだな」といった、自分自身に対する新しい発見や、今まで気づかなかった良い点が見えてきます。
それは派手な成功体験や、劇的な自己変革ではありません。むしろ、日々のささやかな出来事の中に散りばめられた、自分自身の穏やかな肯定感につながる小さな「気づき」の積み重ねです。
この積み重ねが、静かな自信となり、日々の生活を送る上での穏やかな心の支えとなっていく可能性があります。
感謝の記録は、自分自身の内面と向き合うための、シンプルで手軽な習慣です。ぜひ、今日からでも、自分自身の良い点に静かに気づくための感謝記録を始めてみてはいかがでしょうか。