マイ・グラティチュード・ジャーナル

感謝記録で思い出す あなたの「良い状態」

Tags: 感謝記録, 心の状態, 習慣化, 日々の気づき, 穏やかな暮らし

日々の疲れの中で見落としがちなこと

日々の忙しさや、変わり映えのない日常の中で、私たちは知らず知らずのうちに心に疲れを溜め込んでしまうことがあります。漠然とした不安を感じたり、何かが足りないように思えたり。そんな時、自分が本来持っている「良い状態」や、満たされている感覚から遠ざかっているように感じられるかもしれません。

心地よい時間や、心が穏やかだった瞬間のことを、つい忘れてしまいがちです。しかし、それは完全に失われたわけではありません。多くの場合、ただ日々の雑踏の中で意識の焦点が別の場所に向いてしまっているだけなのです。

感謝の記録が心の焦点を変える

ここで「感謝の記録」という習慣が役に立ちます。感謝の記録は、特別な出来事を探すことではありません。今日一日、あるいは今この瞬間にあった、些細なことの中に良い点を見つけ、それに意識的に目を向ける練習です。

私たちは放っておくと、どうしても「ないもの」「足りないもの」に意識が向きやすい傾向があります。しかし、感謝の記録は、この意識の向きを意図的に「あるもの」「すでに持っているもの」に変える助けとなります。それは、まるで曇り空の中から、ふと雲の隙間から差し込む光を見つけるような感覚かもしれません。

今日食べた温かい食事、すれ違った人の笑顔、静かな雨音、読書の時間、快適な布団。そういった日常の何気ない一つ一つに意識を向け、「これがあったな」「これのおかげで少し心が軽くなったな」と記録する。この行為そのものが、心の焦点を、不満や不足から、充足や平穏へと優しく誘導してくれます。

シンプルに始める感謝の記録

感謝を記録する方法は、難しく考える必要はありません。ノートでもスマートフォンのメモ機能でも構いませんが、手軽に続けやすいツールを使うことも一つの方法です。例えば、決められた項目に沿って短い言葉を書き込むだけであれば、日々の習慣に取り入れやすくなります。

朝起きた時、あるいは夜寝る前。数分だけで結構です。今日あった良いことや、感謝したいことを、3つでも5つでも書き出してみる。文章である必要はありません。単語や短いフレーズでも十分です。

「美味しいコーヒー」「〇〇さんの言葉」「静かな時間」「体調が良い」

このように、思いつくままに書き出してみることで、自然と意識がポジティブな側面に向けられます。ツールを使う場合は、記録の習慣化をサポートする機能や、過去の記録を振り返りやすい機能があると、より続けやすさを感じられるでしょう。複雑な機能は必要ありません。大切なのは、「書く」という行為そのものの手軽さです。

良い状態を思い出すヒント

感謝の記録を続ける中で、ぜひ試していただきたいのが、過去の記録を時折読み返すことです。以前自分がどんな小さなことに喜びや感謝を感じていたのかを知ることは、今の自分が感じている「良い状態」を再認識したり、あるいは少し落ち込んでいる時に、以前の心地よい感覚を思い出したりするきっかけになります。

完璧に毎日記録しようと気負う必要はありません。続けられなかった日があっても、自分を責める必要はありません。大切なのは、途中でやめてしまわないことです。気が向いた時に、また書き始めれば良いのです。

そして、「良い状態」とは、常にポジティブでなければならない、ということではありません。それは、心が穏やかであること、安心して過ごせること、自分にとって心地よいと感じられる時間があること。人それぞれで形は異なります。感謝の記録を通じて、あなたにとっての「良い状態」がどんなものか、ゆっくりと気づいていくプロセスそのものが価値あることなのです。

小さな習慣が育む心のゆとり

感謝の記録は、劇的な変化をすぐに実感できるようなものではないかもしれません。しかし、日々の積み重ねによって、確実に心の持ちように穏やかな変化をもたらします。

「ないもの」を見るのではなく、「あるもの」に目を向ける習慣がつくことで、日常の中に隠れていた小さな幸せや、自分がすでに持っている豊かさに気づきやすくなります。そして、それは、あなたが本来持っている心の「良い状態」を思い出し、日々の生活に静かなゆとりと充足感をもたらしてくれるでしょう。

まずは、今日あった小さな「良いこと」を一つ、心の中で、あるいは手軽なツールを使って書き出してみてはいかがでしょうか。その一歩が、あなたの心の風景を少しずつ、穏やかに変えていくきっかけとなるはずです。